黒留袖 - 山水画・兼六園
黒留袖 - 山水画・兼六園
おはようございます。
金沢・兼六園を写実的に描いた黒留袖です。
上前には霞が池にことじ灯籠、石脚のうえに建てられた内橋亭などが木々の中にみごとに表現されています。
ぼかしも美しく、生地に織り込まれた金糸が幻想的な雰囲気をかもしだしています。
この山水画の黒留袖は、多くの職人さんの手により、昔と変わらぬ手法で手間暇掛けて創られた正当派のきものです。
しかし、柄と色合いが、お嬢さんの婚礼を迎えるお母さんより、少し地味目になります。
需要の減少と正当派のきものづくりに掛かる費用から、ご紹介したような山水画の黒留袖は数少なくなっています。
コストを考えた物作りは、とても重要な事です。
しかし、一度途絶えてしまったら、その職人さんの業はそこで終わってしまいます。
民族衣装であり、日本の茶道、華道、歌舞伎、和楽などと深い繋がりがあるきものを創る職人さんの業は、日本の大切な文化の一つであると思います。
大切に守って行きたい業だと思います。